ビジネスアイコラム掲載

産経新聞社の運営する、Sankei Biz (webサイト)にギアリンクスの活動が紹介されました。
（1月23日付け）

テーマは、

【ビジネスアイコラム】公共性とビジネスの両立が生み出す価値

　南米で農場運営や日系移民支援をビジネスとして行っている異色の株式会社「ギアリンクス」（岐阜県美濃加茂市）の中田智洋社長が１７日、首相官邸を訪問し、政府から東日本大震災の被災地支援の「豆腐１００万丁プロジェクト」に対して感謝状を発行すると伝えられた。

　震災の直後、パラグアイから同社に対して大豆１００トンが寄付され、それを原料に豆腐を製造、支援物資として送った。大豆１トンで１万丁の豆腐ができる。約１００万丁分の豆腐を生産する費用の一部約２５００万円もパラグアイの国会決議によって政府と民間から寄付された。感謝状は同国のイグアス農協や日本人連合会などに贈られる。中田氏が１月下旬に南米に出向いて関係者に感謝状が発行されることを直接伝える。野田佳彦首相もパラグアイ大統領にお礼の親書を送る。

　「南米の日系移民は日本人の誇りを忘れず懸命に働き、現在の日本人が失いかけている義理や人情にもとても厚い。経済的に豊かだとはいえないのに、祖国のためにすぐに支援に動いてくれた」と中田氏は話す。

　ギアリンクスは現在、ペルーの日系移民が生産したブランデー「ピスコ」の輸入販売も強化。昨年１０月、移民の出身者が多い沖縄で販促イベントを開いた。

　同社の経営の特長は、公共性とビジネスを両立させようとしている点にある。社会的企業（ソーシャルエンタープライズ）といえるだろう。

　この、公共性とビジネスの両立は、簡単そうに見えて難しい。役所より効率性を、ボランティアより事業（収益）性をそれぞれ重視しなければならず、矛盾を包含しながら永続させていかなければならないからだ。

　それを成し得るのは中田氏の経営力によるところが大きい。実は中田氏の本業は「サラダコスモ」（岐阜県中津川市）という、モヤシの生産・販売で全国トップ級のシェアを持つ会社の社長。

　ラムネ製造販売業だった家業を約３０年前に業態変換し、ベンチャーで無添加・無農薬のモヤシの生産に挑戦。オートメーション化した工場で栽培し、その日のうちに関東や関西の大消費地に届けるビジネスモデルを確立させて成功した。だから「元祖野菜工場」と言われる。

　現在は欧州で人気の発芽野菜「チコリ」の生産にも参入、お茶や焼酎に加工して販売する。年商６９億円。収益性が高く、これまで一度も補助金を受けたことはなく、赤字を出したこともない。地域の食材を使うレストラン併設の複合的観光施設「ちこり村」（中津川市）には年間３０万人近い来場者が訪れる。地域の雇用拡大にも貢献している。これも補助金なしだ。

　こうした自主独立のベンチャー精神と公共性がうまく絡み合って社会は進化する。中田氏の活動を見ていると、公共性とは必ずしも政治や役所だけが担うものではないことが分かる。（ジャーナリスト・井上久男）


是非、一度のぞいてみてください。

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